2016年11月08日
人生を変えたエピソード

感慨深い一日となったので、過去の思い出を振り返り、少々長くなりますがここに感謝の想いを残しておきたいと思います。
龍七彩をオープンする前、私は都内の百貨店に勤めていたのですが、Kさんは私が百貨店に入社して3年目の秋、他の部門から異動してこられた部長さんでした。
そもそも大学も受験していない専門学校卒(高校も中レベル)の私が百貨店に入社できたのも、新卒の大量採用があった年にあたりラッキーだったとしか言いようがないのですが、その後その百貨店で憧れの広報の仕事を担当できたのは、このKさんのおかげでした。
新しい部門に異動して間もないK部長が、部の社員全員と面接をしてくださることになり、この約10分間の個人面接が私のターニングポイントとなりました。
売場の販売員として3年が経っていた私は、正直、販売職は天職ではないと感じていて、入社前から希望していた広報や広告の部門で働きたいと、わずかな面接の時間を使って希望部門への異動を願い出ました。
今思えば、専門学校でプレスや出版・広告関連の授業があったとはいえ、当時2000人を超える百貨店の社員の中で4~5人しかいない本店広報の仕事に就ける可能性は限りなくゼロに近かったと思います。
それでも、面接までほとんど話しもしたことがなかった新人社員の私の話を聞き終えると、K部長は笑顔で
「君の仕事に対する気持ちはよくわかった。ちょうど広報担当で新しい人材を探しているから、この後人事に行って君を推薦してくるよ。それでも、もし異動できなかったら、その時は気持ちを切り替えてこの部門で頑張ってくれ」とおっしゃいました。
そして次の異動シーズン。Kさんの推薦のお蔭で、私は晴れて広報担当になることができたのです。
広報での仕事は、社内報を作ったり、マスコミへのリリース・取材立ち合いが主な仕事だったので、その仕事の中で得ることができたキャリアが、なによりの財産となりました。
広報で仕事をしていた9年半の間、仕事は人生で一番ハードな時期でしたが、様々な売場や職場の取材の中で数多くの成功事例やノウハウを耳にし、ヒット商品や人気のグルメを見たり食べたりする機会に恵まれ、商いの極意を学べる贅沢な毎日でした。
広報に異動後は、Kさんとはたまに店内でお会いした際にご挨拶する程度、その後は年賀状のみのお付き合いとなりましたが、龍七彩をオープンした際に開業の挨拶状をお出しするとすぐに
「すごいなぁ、頑張っているね。すぐにはうかがえないけど、必ず食事に行きますよ!」
と昔と変わらぬ明るい声でお電話をくださり、そしてその言葉通り今回、お店に足を運んでくださいました。
あの時、K部長が部の全員と面接をしていなかったら… 人事に推薦してくれなかったら… 私は今の人生とは違う生き方をしていたかもしれません。
人ぞれぞれに人生に影響を与えたキーマンがいらっしゃると思いますが、自分にとってはKさんが間違いなくそのお一人だと思います。
ご来店された時に過去のことも含めお礼を言いたかったのですが、あいにくゆっくりお話しする時間がとれずお別れの時間となってしまいましたので、この場を借りて改めて感謝の気持ちを伝えたいと思います。
Kさん、本当にありがとうございました。
Posted by りゅうのにじ at 22:00│Comments(0)
│龍七彩